読書地獄あるいは積本の栄え

ただの読書感想文

思い出だって含んでる

雨はもう止んでいた。

昨日から降り続いていたらしい。らしいというのも昨日は一日中、家に引きこもって懐かしい音楽を聴きながらスマホをスワイプし続けていた。おかげで指は少しささくれている。でも、行かなければと思った。少しでも気分を上げるためにおしゃれなんかして、鏡に写る自分は最高にビジュがよかった。それでもやっぱり手紙に書いてあった場所まで行くのはかなりしんどかった。雨で道もぬかるんでいたし、わざわざそんなところでやらなくてもって思う。なんとなく歩きできてしまったこと少し後悔する。過去を振り返っても仕方のないとは分かっているのに。

ようやくたどり着いた。正確には終わっているのだけれど。だから、ただ遠くで、眺めていることしかできない。昨日、私が行かなかったことで何か言われただろうか。言われただろうな。薄情と言われても知ったこっちゃない。だって会いたくなかったのだから。きっと柄にもなく綺麗に化粧なんかされちゃって、寝相が悪い癖に手を胸の上に置いちゃったりなんかしてさぞ安らかに眠ってますよ風にされていたんだろう。それが最後の記憶は嫌だ。絶対に嫌だ。私にとっては灰になるその瞬間まで笑顔だったんだ。そうでなければ困る。

それでも来たのは昨日は珍しく1人しかなかったらしいし、今日はお休みの日だった。だからきっとあの人の煙を含んだ雨が染み込んでいるはずなんだ。

私はそっとぬかるんだ土を掴んで持ち帰る。

思い出がすきなんだね。

まさきとしかさんの「大好きな人、死んでくれてありがとう」を読んだよー

章ごとに別の目線で話が進んでいくタイプだったんだけど、最初の章を読んだ時に、あ、これ好きな話だって思って気がついたら1日で一気読みしてた。

ざっくりあらすじとしては、元アイドルが何者かに殺されたことで色々な第三者目線からその話を追っていくって感じ。同じグループいた人とか同じ職場にいた人の目線みたいに。ジャンルとしてはイヤミスだから誰が殺したのかってのももちろん主題としてあるんだけど、、"イヤミス"の"イヤ"の部分がとっっっってもよくって。

 

死んだ人ってさ、基本的にずるいんだよ。

今回の話は殺人だったわけだけど、事故死とか自殺とかさ。

思い出は絶対的に美しいもので二度と取り戻すことができないからこそ綺麗なものにしてしまうんだよ。だから死んだ人は美しくなってしまう。

今回の作品でも、殺されてしまった彼に狂わされた、あるいは殺されてしまったからこそ、亡くなってしまったからこそ狂ってしまった人もいて。美しいものに縋ろうとすると人間はどんどん汚くて穢らわしい部分がどろどろと溢れ出す生き物だから、その汚い部分がこの"イヤミス"の"イヤ"のエッセンスになってた。

 

もしかしたら次のは内容に軽く触れてしまうかもだから読み飛ばしてもらっていいんだけど、、

そしてこの作品は殺された彼にまつわる第三者の視点だから、彼がなにを思っていたのかが最後まで掴めなかった。君は一体何を思っていたのかな。

 

はい、危ない箇所おわり

一応ネタバレはしないがモットーだからね。

 

でもそれもまたリアルでもあるね。

どこまでいったって居なくななった人の感情なんてどれだけ自分が一番知ってるって思ってても一生かけてもわかることなんてないんだからね。そもそも生きてる人の感情すら難しいんだし。

 

やっぱり思い出は大切にしたいよ。

 

 

おわりだよ〜

ごめん。つまりどゆこと?

リングシリーズ6冊、今読み終わったんだけど。

まじでこれ。ごめん。つまりどゆこと?

ここから先はネタバレしかないのでリングシリーズ呼んだことないよ!これから読むよ!読む予定はないけどネタバレ見たくないよ!って人はブラウザバックしてください。

 

した?

いいね?

 

いやまじでわからんのよ。

①バースデイまでの高山とエス・タイドの高山ってパラレルワールド高山ですか?

②貞子の目的がよくわからない。

です。

 

①については、これ明らかにループ、バースデイの繋がりとエス、タイドは違うよね?

バースデイで薫はリングウイルスを収束させて綺麗に終えることができたじゃないですか。しかも貞子が一度は大量発生してるし。

でもエス、タイドでは実質的に産まれた貞子は3人(?)だけだし、そもそも薫は生きてるし…。

これは②にも関連するけど川口は薫の記憶引き継いでるわりには貞子と愛し合って茜が産まれてるわけだが、いや薫くんなら礼子を裏切るとは思わないんだけど…。茜の年齢考えるとループ世界に来て数年で茜産まれてるじゃん。しかも礼子はループ世界を覗けることも知ってるわけじゃん。そんな早々に他の人愛すとかある?礼子とその子どものためにループ世界に来たんだよ??腑に落ちない…

 

②については、結局貞子って何がしたかったの?

リング〜バースデイの話でみると、強い念写の力があって、母にもあったけど世間からはそのせいで疎まれて、劇団にも入ったけどそこでも力で保険かけたら結局裏切られてしまったわけで。そもそもの出生も不倫で産まれた子どもという狭い島ではそれだけで弾かれる境遇で苦しい思いをして、最期は無理やり犯されて生きたまま井戸に落とされたからこそ全てへの憎悪と新たな自分、永遠の生を求めた呪い…もといリングウイルスだと思ってたんだけど…。

突然タイドでママ生きてまーす!実は高山と兄弟でーす!ママは裏切り者でーす!だから高山絶対許さんぞぉ!って思って呪いかけちゃったって展開にされたわけだけど…。ん???エスで高山と愛し合って茜産まれたんだよね?ん???弟なんよな?高山はそのこと知らなかったけど貞子は知ってる&高山に恨み&その恨みのためだけに復活ってタイドで設定になったのに愛し合ったんだよね??(タイドはエスの前日譚)わけがわからないよ…。

あと春菜に転生の件はどうなった?一応伏線として残そうとしたけどエピローグでそれもなかったことにされてない…?それとも春菜の記憶引き継ぎながら貞子の意識が乗っ取ったの?うーーん?わけがわからないよ……。

 

なんというか。リング〜バースデイとエス、タイドはパラレルワールドっていう前提をとったとしてもエス、タイド間での矛盾とタイド内での疑問が多すぎる。特にタイドがかなり悪さをしている。エスはリングのリブートのようで一応ちゃんと筋は通ってるからまだなんとかこじつければよかったけど、タイドで結局どゆこと?が多すぎてシリーズの締めくくりがこれでいいの?という疑問はある。というか、鈴木さんが書いてる途中でもはやよく分からなくなってない?6作も書いてるうえにスパンもかなり長いからそりゃ大変ですよね、、

 

ま、まだね!魂の飛翔があるからね!!そ、そちらも読もうと思うよ。

 

(ユビキタスの連載版では高山が出ているらしくて、書籍のユビキタスの方も続編で連載版の要素を拾っていくらしいから実質ユビキタスもリングシリーズの一部と思って積んではいるんだけど…。この感じだとこれまた全く別物という前提で読み進めた方がいいか…?)

 

 

おわり

鍵と鍵穴

最近、斜線堂有紀さんの小説にハマってるんですよ。

 

おひさしぶりです。何を書きたいのか何を書くべきかわからずにまた漫然と日々本を読み漁り気がついたら半年近く更新してませんでしたね。

相も変わらず好きな小説家のまだ読んでなかった本を読む、ということももちろん楽しいし間違いないんですがどこか新しいものを求めてしまう自分がいて。今まで読んだことなかったはじめましての作家さんの本を最近は手に取るようになりました。

どんな小説かというと、なんだか今まで好き!って言ってきた作家さんの作品とは違ってなんだか照れくささもありますが…。

 

まずは冒頭にも書いた斜線堂有紀さんの本はかなり好きでして。「愛じゃないならこれは何」と「君の地球が平らになりますように」を読みまして、すでに「星が人を愛すことなかれ」も買っております。この3冊が何かと言うと恋愛短編集です。それもこの先に果たして幸せが続いているのだろうか…という道を突き進んでそれでもあなたが好きという地獄にも近い恋愛で。

でもどうなんでしょうね。人を求める感情、人を愛する感情、人に何かしたいと思うことはどこまでも個人的なものだし、伝わらない受け入れられない時には地獄でしかなくて。そう思うと恋愛は常に地獄に近いような気もしないわけではないですが…。

あ、まったく小説とは関係ないですが、この作品たちを読んでるときはanoの「この世界に二人だけ」が脳内再生されてました。サブリミナル布教。

 

他にこれまで触れてこなかった作家さんの本では、夕木春央さんの「方舟」、「十戒」、木爾チレンさんの「二人一組になってください」、宮木あや子さんの「官能と少女」等々を読んだりして自分の雑食さにドン引きしたりしてます。

 

まあ村田沙耶香さんの「信仰」とか愛してやまない白井智之さんの「名探偵のいけにえ」も読んでます。「名探偵のいけにえ」はあんなに話題作だったのに読んでなかったんですよ。ハイカロリーでボリューム満点、一口では食べきれない圧巻の小説でしたね。満足したと思ったらさらに満足させてくれて、その上で満腹にしてくれるのでアメリカサイズのハンバーガーでした。

でも面白いことに論理的に推理を展開してくれるので読み終わった後は胃もたれしてないんですよ。ここがさすがとしかいいようがない。毎回白井さんの作品を読んでる時は自分がこの作家さんのこと好きって言ってるの色々大丈夫かな…って不安になりますがあの多重解決をみせつけられると胸を張ってこの人の作品すごいんですよ!!大好きです!って言ってしまうんですよね。今作は比較的エログロは少ないから話題作になるのも納得でしたし。

 

あれ、またこいつ、好きな作家の話しかしてないじゃん。

 

おわり

傷痕

カツセマサヒコさんの「明け方の若者たち」を読みました。

今読み終えて衝動的に書いてます。

 

苦しい。読んでて苦しかったなあ。

大学卒業から26歳くらいまでの青春物語で年齢的にも刺さりすぎた…。

彼女が僕に残した傷痕は絶対に消えることはないし、忘れることなんてできないよ。

この作品で彼女以外の登場人物も僕にたくさん傷痕を残してるとも思ってて。人生の苦味や痛み、甘い記憶、希望に満ちた過去。

でもきっとオトナ達はそんな傷痕を抱えて生きてるんだろうね。あるいはその傷痕が大人にさせているのか。

読んでる時に別れたあの人や疎遠になったあの人とか思い出して。当時は笑いあってたのにもうこの人生で二度と会うことはないと思うと不思議な感じがする。なにしてるんだろ。どんな人生を歩んでるんだろ。

自分のことを思い出してもらえる時はあるのかな。ないだろうな。そんな自信ない。

 

いつだって過去は光り輝いてて、でも今はどん底で苦しくて。そんなことも最初からわかってたのに。

 

おわり

 

私の殺害動機について

今村昌弘さんの「屍人荘の殺人」、「魔眼の匣の殺人」、「兇人邸の殺人」を読みました。

屍人荘の殺人シリーズは特殊設定×クローズド・サークル×本格ミステリっていう属性もりもりって感じだけどちゃんとミステリをしてるシリーズでかなり取っ付きやすい小説でした!

 

実は「屍人荘の殺人」は実写映画を観たことあったから例の特殊設定は覚えてたんだけど内容がほとんど忘れてて、、新鮮な気持ちで読めました笑

その影響か、作中のセリフは葉村くんは神木くん、比留子さんは浜辺美波さん、明智さんは中村倫也さんで脳内再生してました。

 

そして「屍人荘の殺人」は、例の特殊設定の中でさらにクローズド・サークルにも関わらず殺人を犯す動機、方法も設定を活かしつつかつぶっ飛んでるわけではなくちゃんと推理できる筋の通って今村さんほんとすごいと思った、、デビュー作でこれは強すぎる、、

 

「魔眼の匣の殺人」は、帯とかあらすじにもあるように予言にまつわるミステリで前作と比較して抽象的な感じだしどうなるんだろう?って思ってたらそんなことはなかった。3作の中で1番好きだったかもしれないってくらい本格ミステリだった。。

あ、どんでん返しは一度とは限らないと心構えしておいた方がいい。最後まで気を抜くな

 

「兇人邸の殺人」は全くの未知でどんな特殊設定なんだろうと思ったらまさかまさかでしたね、、しんどかった、、

途中のミスリードはさすがにこれは引っかからないよ〜って余裕ぶってたらそんな段ではなかった。本当にすごい。

 

あれ、本当にすごいしか言ってない…?いやでも本当にすごいミステリだった…

3作ともわざわざ殺人を犯す必要がないような特殊な状況にもかかわらずそれでも罪を犯してしまう、そんな彼らの動機、そしてどうやって殺したのかを推理しながら普通のミステリとはひと味違うミステリをぜひ堪能してください。

 

おわり

雑記

最近読書感想文書いてなかった〜

書いてないだけで読んではいるんだよ。うん。筆が重いだけ。

 

直近で読んだのは白井智之さんの「エレファントヘッド」です。

この本はネタバレ厳禁だから詳しくは言えないけどかなり狂っていました。白井さんの小説は常に狂ってるけど。笑

 

白井智之さんの小説にハマってるんですよ。

江戸川乱歩夢野久作エログロナンセンスを現代で体現してる方だと思う。それでいてトリックもかなり高度なものがたくさんあるから本当に頭の良い方なんだなとまざまざと感じる。

 

だいたい出てくる登場人物が目的のためなら何してもいいと思っていそう…というくらいには倫理観が崩壊してる。でも、それも含めてミステリとして完成されてて毎回解決編の時には頭抱える。他の作品では題名が大好きな「お前の彼女は二階で茹で死に」もよかった。世界観もかなりぶっ飛んでるけど、そのぶっ飛んだ世界観だからこそのトリックだったりしてただの狂気に留まらないところがすごい。とても惚れてる作家さんです。

最初のおすすめの作品としては「名探偵のはらわた」かな。章ごとに毎回事件と解決編があって安定の多重解決に加えてそこまでエログロはない。ただし多少の倫理観の欠如は感じられて白井作品に片足突っ込むには丁度いい作品だと思います。

 

その他で言うと佐藤究さんの「テスカトリポカ」もすごかった。佐藤究さんの作品は「QJKJQ」を読んだことがあって、「QJKJQ」はミステリー作品で世界観がどんどん壮大になっていくのに今までの伏線はしっかり回収されていくのがすごくて他の作品も気になってた作家さんだったから、「テスカトリポカ」が文庫化されると聞いてついに!と思って予約購入してました。ノワール小説?っていうのかな、麻薬密売人やら犯罪者たちの生き様であったりそれに巻き込まれてしまう現代人達がリアリティがある700頁overの重厚な物語で、この全く知らない世界を覗き見ることが出来るのが読書の醍醐味!とひしひしと感じながら読めてワクワクしながら読んでた。「テスカトリポカ」も日本の川崎からメキシコまでのワールドワイドな壮大な物語で佐藤さんの作品は大きな話なのにしっかり纏まってるのが毎回感動する。

 

読書はやっぱり楽しいのです。

最近の朝の日課中原中也の詩と太宰治の短編を1つずつ読んで目を覚ましてる。朝活は大事です。

これは真夜中に書いてるんですけどね。

 

そんなこんなでもう寝ます。

 

おわり