読書地獄あるいは積本の栄え

ただの読書感想文

球体関節は性癖

初めに言っておくと、性的な表現があるので注意していただきたいです。

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澁澤龍彦さんの「少女コレクション序説」を読みました。

本の冒頭でも澁澤さん自身が言うように「少女コレクション」という秀逸なタイトルに惹かれてしまい思わず手に取りました。澁澤さんの本は他に「快楽主義の哲学」しか読んだことなかったものの、その時も本文中での歯に衣着せぬ文体で論じていくエッセイがかなり好きでした。

少女コレクション、といっても生身の少女だけではなく人形のことを指してて、話もコンプレックスや近親相姦、果ては相手の中に投射する自分の歪みみたいものまで膨らんでいく相変わらず興味深い話が多かったです。表紙の四谷シモンさん作の人形が美しく儚げで、頁を開くと彼女のまた別の表情もみれてかわいいです。

内容の中では特に、近親相姦もまた自らに似ている者を愛するという点でナルシシズムの現れという考え方になるほどと思わされたり。汝の中に自らを見出すという視点、歪んだ愛を解剖していくことでまた人間の本質のようなものが見えてきて。その歴史を紐解いていくうえで、バッサバッサと有名作家たちについて言及していくので色々と大丈夫?!と思うところもあります。笑

そして、澁澤さんはエッセイの中で多くの小説に触れたりもするから気になる本がどんどん増えていくのです。澁澤さんが訳した「O嬢の物語」も気になる…。

あと、近親相姦の話で夢野久作の「瓶詰の地獄」が出てきたのは夢Q好きとしては嬉しかったです。

最後に…神様たち、地面に精液零しすぎでは?

 

おわり